僕が『アラジン』に感じた新しさ

王道中の王道

食わず嫌いでディズニーの実写映画(アニメ原作あり)を避けていました。それでも『アラジン』を観たのは、ガイ・リッチー監督作だったのと、周囲の評判が良かったから。

正直言えば、観終わった直後は、「いい映画だったな(⭐️4)」くらいの感触だったのだけれども、時間が経てば経つほどすごいと思うようになって、今は何回も観たいし、人に薦めたい名作映画(⭐️5)だと思っています。

ストーリーは知名度があるものなので、僕でもなんとなくは知っていて、話の流れが予想つくタイプの映画。

構成は、物語の定番である三幕構成『第一幕(状況設定)』『第二幕(葛藤)』『第三幕(解決)』で、特別なことをしているわけではありません。

王道中の王道。

脚本 物語 三幕構成
『シド・フィールドの脚本術』参照

それでも展開に意外性を感じながら観れたのは、音楽、セリフ、映像の独特のテンポとひねり(=いずれもガイ・リッチー監督ならではだと僕が思っているもの)が大きかったように思います(役者の力はもちろんのこと)。

僕を驚かせた世界観

でも何よりも僕を驚かせたのは、その世界観。

僕のイメージでは、ディズニー映画には、まず大きなディズニーの世界観があって、そこに『アラジン(アラビアン・ナイト)』なり『シンデレラ』なりの原作の世界観があって、よくも悪くも監督の世界観はそれらの最後にこっそりあるという印象でした。

ディズニー映画 世界観

だからディズニーの映画であって、監督の映画ではない感じがしてしまう。

スター・ウォーズの場合

たとえば作品ジャンルは異なりますが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が顕著で、スター・ウォーズである前にディズニー映画だと感じたし、J.J.エイブラムスの映画である前にスター・ウォーズであると感じました。

スター・ウォーズ フォースの覚醒 世界観

次の図のように三層構造で、ディズニーの世界観、スター・ウォーズの世界観にJ.J.エイブラムスがすっぽりと包み込まれている感じ。

スター・ウォーズ フォースの覚醒

『アラジン』を観るのを躊躇した理由のひとつが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を観た時のこの印象が強かったから。

チケットを予約した後もガイ・リッチーの新作映画を観に行くテンションではなく、ディズニーによるアラジン(たまたま監督がガイ・リッチー)を観に行くというテンションでした。

でもその予想はいい意味で裏切られて、僕の本作の印象は、ガイ・リッチーの作品であり、ディズニー映画であり、アラジンでもありました。

3つの世界観が一番リッチな形で混ざり合っていると思いました。

アラジン 世界観

だから、ディズニーのファンも、アラジンの原作のファンも、ガイ・リッチーのファンも没入できる(たぶん)。

僕はこのように、『アラジン』が単一世界観ではなく、3つの世界観をそれぞれのエッジを持たせたままブレンドできている点に新しさを感じました。

ブランドは、「らしさ」だと言われます。コカ・コーラらしさ、アップルらしさ、ナイキらしさ。そして、ディズニーらしさ。

「らしさ」はどこから見ても、どこをどう切り取っても同じであることが重要で、アップルは、製品を見ても、ストアを見ても、パッケージを見ても、どこから見てもアップルらしいゆえに、ブランド。

その見方でアラジンを見ると、単一のらしさではなく3つのらしさ(「ディズニーらしさ」「アラジンらしさ」「ガイ・リッチーらしさ」)が共存していて、巨大なディズニーブランドの中でそれができていることが僕にはすごく新鮮だったし、時代性に合っていると感じました😌

📝 by

櫻田潤

櫻田潤

インフォグラフィック・エディター
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