インフォグラフィックの基本を全9回で解説します。今回はその第3回です。第1回から読むにはここからどうぞ。
はじめに
前回は、インフォグラフィックと図解などの使い分けのポイントを見ていきました。
今回は、その内容を踏まえて、インフォグラフィックの価値を整理します。
「情報」と「ビジュアル」
インフォグラフィックの価値は、言葉の成り立ちからもわかるように「情報の価値」と「ビジュアルの価値」で構成されます。この2つが組み合わさることで、インフォグラフィック全体の価値になります。

(1)情報の価値
見えにくかった物事の関係を見えるようにすることが、インフォグラフィックの存在意義です(参考記事)。情報として見た場合、インフォグラフィックが目指す価値は、次のようなことです。
- 物事がクリアになる
- 短い時間で内容がわかる
- 信頼できる
- 必要なことがまとまっている
- 保存して見直せる
- 簡単に共有できる
(2)ビジュアルの価値
テキスト情報はもとより、図解・グラフとの差分になるのが、ビジュアルの価値です(参考記事)。ビジュアル面で、インフォグラフィックが目指す価値は、次のようなことです。
- 目にとまる
- 何の題材か一目でわかる
- 興味がわく
- 理解を助けてくれる
- 全体像を俯瞰できる
- 感情に響く(例:見ていて、楽しい/親近感が湧く)
- 記憶に残る
- 世界観が伝わってくる
2つの価値の関係
まず、「情報の価値」はインフォグラフィックの根源的な価値でこれなしにインフォグラフィックは成立しません。
それに対し、「ビジュアルの価値」は「情報の価値」を多くの人に届けて、インフォグラフィックの価値を最大化するものです。

良くないのは、「情報の価値」が小さいにも関わらず、「ビジュアルの価値」を膨らませてインフォグラフィックの価値を大きく見せようとすることです。

おわりに
今回は、インフォグラフィックの価値を整理しました。
次回は、このような価値を持つインフォグラフィックがなぜ求められるのか、必要とされる背景を見ていきます。
次の記事:インフォグラフィック活用の背景
インフォグラフィックが好きに
なったら。
運営

櫻田潤
インフォグラフィック・デザイナー
インフォグラフィック専門のコンテンツレーベル「ビジュアルシンキング」運営。📚著書『たのしいインフォグラフィック入門』他