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行動に誘う言葉。
マイクロコピーとは

📕『UXライティングの教科書』を読んで。

UXライティングの教科書

マイクロコピーとは

『UXライティングの教科書』(キネレット・イフラ著)は、マイクロコピーの役割や書き方を解説する本です。

マイクロコピーとは、ユーザーの行動に直接影響する短いコピーのこと。たとえば、会員登録を促す言葉やボタンのコピーが該当します。

スポティファイ マイクロコピー

著者のキネレット・イフラさんは、イスラエルのマイクロコピー専門スタジオ「ネマラ」創業者。マイクロコピーのライティング、「ボイス&トーン」のデザインの他、コミュニティ運営やワークショップを行っています。

ネマラ マイクロコピースタジオ

マイクロコピーの3要素

マイクロコピーは「語り口」「語る場面」「語る内容」の3つに分解できます。

語り口

同じ内容を伝えるのでも、どんな言い回しやトーンを選ぶのか。

語る場面

どんなタイミングで、どんな場所に使うのか。

語る内容

どんなメッセージをどんな言葉で伝えるのか。

中でも全体に関わるのが「語り口」で、「ボイス&トーン」として指針をまとめます。たとえば、本書で紹介されていたのがMailchimpのコンテンツスタイルガイドです。

Mailchimp コンテンツスタイルガイド

畏まるのかフランクなのか、真面目なのかユーモアを織り交ぜるのかなど、ブランドの個性を反映して作ります。

行動に誘う言葉

本書で特に印象的だった言葉が、「行動へのお誘い(コール・トゥ・インビテーション)」です。「行動喚起(コール・トゥ・アクション)」に言い換えて使うことがあるとありました。

「行動喚起」だとユーザーを強引に行動にもっていこうとしているように聞こえますが、「行動のお誘い」であれば、行動するかどうか最終的に決めるのはユーザーの意思だと感じます。

サービス側の都合で、ユーザーにして欲しいことを一方的に伝えるのではなく、ユーザーが行動によって何が得られるかを伝えるのがポイントです。

マイクロコピー

本書は、こうしたマイクロコピーのDoとDon’tを、会員登録ならこう、メルマガ登録ならこう、エラーメッセージならこう、と具体的な事例で学べます。

言葉のUXの可能性

マイクロコピーは、プロダクトだけのものではありません。言葉のUXは、コンテンツでも活かせます。

強い言葉を使ったり、煽ることなく、人を行動へといざなう技術は、分断する社会をつなげるために、ビジネスセクター、ソーシャルセクター、パブリックセクターどこでも求められるものです。

『UXライティングの教科書』は、シーン問わず、短いコピーを通じたコミュニケーションが必要な人にとって、何かしら参考になる本です。


著者

櫻田潤

インフォメーション・デザイナー

専門は、インフォグラフィックのデザイン。📚著書に『たのしいインフォグラフィック入門』『たのしいスケッチノート』ほか。


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