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パンデミックは
テックジャイアンツに
どう影響したのか

Alphabet、Amazon、Apple、Facebookの2020年4〜6月期決算データをグラフで比較しました。

GAFA 最新決算比較

広告収入がメインの2社で明暗

Google以外は増収増益

テックジャイアンツこと、Alphabet(Google)、Amazon、Apple、Facebookの四半期決算が7月30日に発表されました。

パンデミックの影響が出始める4〜6月期決算ということで気になったので、前年比で売上・利益がどう変化しているのか、見てみました。

結果は、Alphabetが上場以来初の減収、他3社は増収増益で、Amazonは四半期ベースの最高益を記録しました。

GAFA 最新決算比較
Alphabet

売上構成の80%弱を広告が占めるAlphabetは、広告収入が前年比でマイナス8%でした。

クラウド事業が前年比プラス43%となりましたが、広告のマイナスをカバーするほどではありませんでした。

alphabet 2020年2Q決算 売上構成
alphabet 2020年2Q決算 セグメント別売上
Amazon

Amazonはリアル店舗の売上が前年比マイナス13%となったものの、他セグメントがすべて前年比プラス。リアル店舗が売上を占める割合は4.2%と大きくないため、減少の影響を他で十分カバーすることができました。

amazon 2020年2Q決算 売上構成
amazon 2020年2Q決算 セグメント別売上
Apple

売上構成の半分近くを占めるiPhoneが前年比プラス2%にとどまったものの、全セグメントで前年比プラスと堅調でした。

Apple 2020年2Q決算 売上構成
Apple 決算 2020年第3四半期 セグメント別
Facebook

Alphabet以上に広告依存のFacebookですが、パンデミックでアクティブユーザーの増加もあり、前年比プラスでした。

Facebook 最新決算 売上構成
Facebook 決算 2020年第3四半期 セグメント別
広告ビジネスへの逆風

決算発表とあわせて、アメリカ連邦議会下院では4社のCEOを同時に召喚する異例の公聴会が開催されました。

巨大テックカンパニーによる市場独占の是非が問われているもので、Alphabetをのぞいて前年比プラスの最新決算を見ても、4社に対する追求は続きそうです。

今後は、その目をかわす目的で、4社の慈善活動が増えていくのではないかと思います。

たとえば、Amazonは今年に入って、「気候変動」に対する開発や事業を支援するために、ジェフ・ベゾス個人で100億ドル、Amazon社で20億ドルのファンドを立ち上げています。

Appleは、ティム・クックがCEOになった2011年以降、スティーブ・ジョブズ時代と打って変わって、慈善活動に積極的に取り組み、いち早く、社会の変化に適応していっています。

これは、クックの価値観に基づくもので、ジョブズの後継者選びの先見性も光っています。

たとえば、ティム・クックの評伝『ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』には、クックの価値観がわかるものとして、つぎの言葉が紹介されています。

ビジネスに携わる多くの人は、倫理について考えるとき、不正会計やインサイダー取引を連想します。しかし、私はそうではありません。倫理について考えるとき、私はある物事を、それを発見したときよりも良い状態で、後に残すことを考えます。

『ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』(リーアンダー・ケイニー著/ 堤沙織 訳)

つづいて、Alphabetは、公聴会でデヴィッド・シシリン議員に「なぜGoogleは誠実な企業からコンテンツを盗むのですか?」と問い詰められると、「それには同意できない」と述べた上で、スモールビジネスの支援に力を入れていることをアピールしました。

最後、Facebookに関しては、市場独占の観点からだけでなく、ヘイトコンテンツへの対策が不十分だとして複数の団体が共同で立ち上げた抗議運動「Stop Hate for Profit」の影響を受けて、ユニリーバやコカ・コーラ、スターバックスなど大手企業がFacebookへの広告掲出を止めるという自体が起きています。

このキャンペーンは、YouTube広告にも広がっているため、Alphabetにとっても、パンデミックによる広告出稿の減少とは別で、このトレンドへの適応が重要課題となります。

そのような社会動向もあり、広告収入がメインのAlphabet、Facebookと、Amazon、Appleでは、状況が異なっていきそうです。



著者

櫻田潤

インフォグラフィック・エディター

情報の理解と伝達にビジュアルを活用することに取り組んでいます。


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