北極圏の緑化が進むとどうなるのか?

2021年12月14日、世界気象機関(WMO)は2020年6月にロシアのベルホヤンスクで記録した気温38度が、北極圏の観測史上最高気温だと認定しました。

北極圏の温暖化によって起こることの一つが緑化で、これが温暖化をさらに加速する要因になります。緑化と温暖化の関係をまとめたのが、次のインフォグラフィックです。

北極圏の緑化 永久凍土の融解 地球温暖化 インフォグラフィック

観測史上2番目の緑化

アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2021年版「北極圏報告カード(Arctic Report Card)」で、ツンドラ(※1)の緑化が過去39年間の観測史上2番目だったと伝えました。

地表が氷で覆われているのと比べて、植物の方が色が濃いため熱を吸収しやすくなります。それによって、永久凍土(※2)の融解が起こり、地中に閉じ込められていた二酸化炭素やメタンが大気中に放出され、温暖化がさらに進む悪循環が起こります。

※1:ツンドラ(tundra):日本語で「凍原」。ほんとんどの時期、地表が凍結していて、木が育ちにくい荒原のこと

※2:永久凍土(permafrost):0度以下の状態が2年以上続く土壌のこと

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櫻田潤

インフォグラフィック専門のコンテンツレーベル「ビジュアルシンキング」運営。著書『インフォグラフィック制作ガイド』『たのしいインフォグラフィック入門』


コンテンツのソース

Arctic Greening Driven By Warmer Temperatures(YouTube/NASA Goddard)
Arctic Report Card: Climate change transforming Arctic into ‘dramatically different state’(NOAA)
WMO recognizes new Arctic temperature record of 38⁰C(WMO)
2021 Arctic Report Card: Strong greening trend continues across Arctic tundra(Climate.gov)
2021 Headlines(NOAA)
北極圏の氷や凍土が溶けて「緑化」が進めば、この地の温暖化はさらに加速する(WIRED)
ロシア極東の「気温38度」国際機関が“北極圏史上最高”と認定(NHK)