イングランドからイタリアに渡ることになった、オリヴィエ・ジルー。アーセナル時代とチェルシー時代の数字を振り返ります。
プロフェッショナリズム
オリヴィエ・ジルーはチェルシーで3年半、その前はアーセナルで5年半とプレミアリーグで9年過ごした後、新たな機会を求めてイタリアのACミランに移籍します。
僕が試合を見ていたのは、チェルシー時代。
特に印象に残っているのが19/20シーズンで、ランパード監督の1年目。若手エイブラハムの起用が増え、出場機会が大幅に減っていました。
移籍の噂も絶えず、さらにはパンデミックの影響で無観客試合、リーグ中断と、モチベーションとコンディションを保つのが大変なんじゃないかと気になっていました。
この年、チームはチャンピオンズリーグ出場圏内の4位を目指して、ギリギリの戦いをしていました。そんなチェルシーにとって後半戦の不安材料は、得点から遠ざかるエイブラハム。
この危機を救ったのが、ジルーでした。
パンデミックによるリーグ中断から再開後、9試合で6ゴール。モチベーション、コンディションを落とさずに活躍する姿にプロフェッショナリズムを感じました。
結果、チェルシーは、プレミアリーグを4位で終え、チャンピオンズリーグ出場権を得ました。
何度も何度も勝ちたい
翌20/21シーズンは、ランパード監督からトゥヘル監督へのシーズン途中の交代がありました。方針転換により、ジルー同様、出場機会が減っていたアスピリクエタやリュディガーが出場を増やした一方で、ジルーの出場機会は増えませんでした。
出場試合・出場時間
シーズン | チーム | 出場試合 | 出場時間 |
12/13 | アーセナル | 47 | 3,201分 |
13/14 | アーセナル | 51 | 4,092分 |
14/15 | アーセナル | 36 | 2,379分 |
15/16 | アーセナル | 53 | 3,373分 |
16/17 | アーセナル | 40 | 1,780分 |
17/18 | アーセナル/チェルシー | 44 | 2,187分 |
18/19 | チェルシー | 45 | 2,156分 |
19/20 | チェルシー | 25 | 1,408分 |
20/21 | チェルシー | 31 | 1,200分 |
そして、ジルーは今夏、ミランに行くことを決意。チェルシーの公式サイトに次のコメントが載っています。
自分の目標はトロフィーを獲得すること。そのためにサッカーをしている。競争が好きだし、何度も何度も勝ちたいと思っている。
プレミアリーグでは、FAカップ4回、ヨーロッパリーグ、そしてチェルシー最後のシーズンにチャンピオンズリーグ制覇。
18/19シーズンのヨーロッパリーグでは得点王にもなっています。
ありがとう、ジルー。
イタリアで次のトロフィーを。
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著者
櫻田潤
インフォグラフィック・デザイナー
サッカーとインフォグラフィックを愛するコンテンツレーベル「VISUALTHINKING」運営。著『たのしいインフォグラフィック入門』『インフォグラフィック制作ガイド』他